留年した人のハナシ

留年しちゃったリケジョ、大学卒業しました。SEとして働いてます。

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【彼女は頭が悪いから】より悲しさが増す事件後の対応について

少し前に、姫野カオルコさんの「彼女は頭が悪いから」を読んだ。

 

彼女は頭が悪いから

彼女は頭が悪いから

 

 

私は、なぜこの本を読みたいと思っていたのだろう。

この小説は、実際に起きた東大生による強制わいせつ事件がモデルとなっている。物語は、東大生の加害者男性と、女子大に通う被害者女性が出会うまでの当人らの日常を丁寧に描いている。どのようにして彼らが事件までたどり着いてしまったか、分かりやすく誘導されていた。

 

 

この書籍についての評価は様々だ。

 

ネットを見ている限り、東大生からは批判的である場合が多いという印象である。

(理由は、実際のところモテなくて遊べない東大生が多い(本作でいうエノキのような人だろうか)とか、東大の制度が誤って記されている、女性が東大生目当てだったから仕方ないなど)

 

そんなことはこの小説が訴えていることではない。

 

 

私がこの小説を思い出して、最も悲しくなることは、全ての加害者男性たちの親が子供を守るためだけに奔走したことだ。被害者女性の感情を一切に無視して。

 

被害者女性が実際のところどんな人であったかは分からない。この小説では、恋愛経験に乏しく、加害者男性のうち1人のことを好きであったし、一時期は交際関係にあったとされている。しかし、いつのまにか体だけの関係になってしまい、事件当日は想いを寄せる加害者男性に気持ちだけ伝えて帰ろうと思っていたが、2人で話すタイミングがなく、事件発生の深夜になってしまったようだ。もしかしたら、この小説を書くにあたって大きくイメージ操作をされているのかもしれないし、もしかしたら、実際の被害者女性を忠実に表現されているのかもしれない。それは一読者の私には分からない。

 

しかし、彼女が一女性として(女性でなくとも、一人間として)受けるべきではない扱いをされたことには間違いないだろう。

 

にも関わらず、彼らの親は被害者に謝罪もなく、息子たちを守るために奔走した。もちろん、子を守ろうとするのは親として当たり前のことなんだろう。しかし、なぜ被害者のことを考えられないのだろう、自分達の息子が犯したことについて理解しようとしないのだろう、飲み会の悪ふざけで訴えられたとしか考えられないのだろう。

 

きっと、加害者側の人たちがこの本を読んでも、この本に書かれていることは正しくない!と思うばかりで、被害者女性の気持ちに思い至ることはないだろう。永遠に気付かないのだろう。

 

そうして、彼らは何事もなかったかのように、表舞台で活躍する人になるのだろう。

 

 

他人の気持ちを知ることは難しい、でも自分が被害者と同じことをされたとして、怒らない?悲しくならない?傷つかない?苦しくならない?

 

私だって、心の中で、「あぁ、この人頭が悪いな」って思うことはある。でも、その言葉を免罪符に人を傷つけることができるわけないでしょう?

 

私からすれば、想像力のない彼らの方が頭が悪いから、私は悲しくなった。

 

被害者女性が事件から心が立ち直り、健やかに生きていることを願います。

 

彼女は頭が悪いから

彼女は頭が悪いから